平成27年度 教育プログラムの活動報告
(研究活動の把握能力の養成(第4回))を実施
宇都宮大学 陽東キャンパス オプティクス教育研究センター 4F
第4回、研究活動の把握能力の実習講座が、宇都宮大学 陽東キャンパス オプティクス教育研究センター 4Fコラボ室で開催しました。参加者は、群馬大学 研究支援人材育成コンソーシアム室長、茨城大学URA5名、宇都宮大学URA3名、群馬大学URA5名、宇都宮大学 評価委員 1名、コンソーシアム事務局2名、計17名が参加しました。
実習当日はクリスマスにもかかわらず、論文理解度テストを受け、さらに研究者インタビューの発表を行い、受講者にとって試練の実習講座になりました。
宇都宮大学 陽東キャンパス オプティクス教育研究センター |
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午前中は、研究活動の把握能力を評価するため、年1回実施する論文理解度テストを受けました。その後、休憩を挟み午後から、通常の研究者インタビューの報告を行いました。
◆ 論文理解度テスト内容
受講生は専門領域および専門領域外の論文2通を選択し、その論文を一定時間内で読み、論文の要旨について纏めるといった試験を受けます。2時間以内に回答用紙(A4自由形式)に記述し提出します。評価は論文を提供して頂いた教員により理解能力を判定し、採点の結果は1月実習講座1/29(金)に発表する予定です。
論文を提供して頂いた教職員a) 医学 : 群馬大学 白尾 智明 教授
b) 農学 : 茨城大学 久留主 泰朗 教授
c) 工学1 : 群馬大学 花泉 修 教授
d) 工学2 : 群馬大学 天谷 賢児 教授
e) 人文社会 : 宇都宮大学 白石 智子 教授
論文理解度テスト 実施の様子 |
◆ 他大学への研究者インタビューの実施
今月の実習は、8月実習講座(伊香保)と同様に他大学に出向いて研究者インタビューを実施し、研究者の強みや特色を把握します。さらに異分野への可能性など自分自身の意見も含めて報告書にまとめ、コンソーシアムに参加している受講者に発表します。
それでは、実際にどのように他大学に出向いて研究者インタビューを実施したのか?各大学に所属する研究支援人材(URA)が他大学に出向いた様子を、模擬的に以下の様に表現しました。
各大学に所属するURA | 研究者インタビューの為 URAが他大学に出向いた様子 |
群馬大学所属のURA(A~E)は宇都宮大学と茨城大学へ、宇都宮大学所属のURA(F~H)は群馬大学、茨城大学へ、茨城大学所属のURA(I~M)も宇都宮大学、群馬大学に出向き、URAが互いに横断して研究者インタビューを実施しています。この実習講座を繰り返すことで、所属する大学機関だけでなく、他大学機関や研究者の強みと特色を把握し、受講者自身が新しい知識を得ることができます。さらに幅広い研究者とのネットワークを構築することが可能になり、共同研究、産学連携活動、異分野連携など、新しい発想を持った研究支援人材へと育ち、研究支援活動の活性化に繋がっていくことが期待できます。この実践的教育プログラムが本コンソーシアムの大きな特徴です。
◆ 研究者インタビュー報告の分野
今月も、インタビューした研究者のテーマについて分野を分類しました。受講者が実施した研究者インタビューの合計は22件ありました。
農学では牛を扱う畜産学や土壌を扱う研究者、生物学では動物の神経系、昆虫、遺伝子を扱う生物科学の研究者、総合領域の情報学は、情報処理、データーベースの研究者、複合新領域の環境学はバイオマスの研究者、理工学系の化学では材料や分析化学の研究者、工学では電子デバイス、装置開発の電気電子、機械の研究者、そして人文社会系では教育学を扱う研究者のインタビューがありました。分類の結果、特異な分野に集中することなく、生物系、総合・新領域系、理工系、人文社会系にバランスよくインタビューしていることが理解できます。受講者にとって幅広い分野で新しい知識を得る機会が増えることは、今後の研究支援活動に大いに役立つことになるでしょう。
◆ 研究者インタビュー報告(1)
飯塚 朗(群馬大学)URAの発表 | 宇野 太郎(群馬大学)URAの発表 | |
倉山 文男(宇都宮大学)URAの発表 | 澤田 芳郎(茨城大学)URAの発表 | |
平井 圭三(茨城大学)URAの発表 | 平山 太市(茨城大学)URAの発表 |
宇都宮大学 産学官連携・知的財産本部 地域共生研究開発センター |
◆ 研究者インタビュー報告(2)
三柴 由江(宇都宮大学)URAの 発表 | 梶野 顕明(茨城大学)URAの発表 | |
木村 晃子(宇都宮大学)URAの発表 | 立見 さおり(群馬大学)URAの発表 | |
早川 晃一(群馬大学)URAの発表 | 布川 正史(群馬大学)URAの発表 |
間宮 るい(茨城大学)URAの発表 |
研究者インタビューの発表では、多くの質問や意見、助言があり活発な議論ができました。
受講者は、この実習を行う過程で、事前に調べた研究者情報(研究内容、経歴、特許等)や、実際の研究者インタビューで得られた情報(研究者の考え方やポリシー、共同研究や産学連携への取組み等)を知ることができます。また、その内容について報告書に纏め発表することで研究者情報の整理と定着を生み、さらに議論や助言によって今後の改善と気づきを認識できます。
よってこの経験を通じて、研究者と信頼あるネットワークを構築すると共に、その過程で生み出された研究者情報の蓄積は受講者にとって大きな財産になっていくでしょう。
平成27年度 研究活動の把握能力の実習は、今回で最後になります。しかし平成28年度も同様に所属する大学と他大学への研究者インタビューの実施は、今後も継続する予定です。
(参加を希望する機関はコンソーシアム事務局までお知らせください)
・宇都宮大学 / 木村 晃子 URA
研究論文テストでは、短時間に要旨を把握する良い訓練となりました。我々URAは、多くの業務量をパラレルにこなす事が求められるので、まさに必要なスキルと言えます。また、他大学の研究者インタビューのカリキュラムでは、①研究の学術的意味、と②研究の社会的意義、の双方を捉えることが必要といった、インタビューの本質を伝授していただきました。
現在、本学で進めている教員インタビューの現場で、非常に役立っています。
・茨城大学 / 平井 圭三 URA
茨城大学に直接採用されたURAですが、本コンソーシアム発足当初より参加させて頂いています。① 様々な分野(人文、農学、医学、理工学)の英語を含む論文から2件を選択して時間内に要旨をまとめる。② 研究内容に興味を感じて、あるいは、競争的資金獲得支援業務を発注していただくことを目指して、等のモチベーションや分野については制限されずにインタビューを実施し、結果をプレゼン・ディスカッションする。これらの実習内容はいずれも、年齢、経験、得意分野が異なる参加者全員にとって実践的で有意義なプログラムになるように配慮されているのでありがたく思っています。
宇都宮大学 地域共生研究開発センター 及び オプティクス教育研究センター |