特集「H28座学講座 参加者の声」
平成28年度 座学講座に参加した方から率直な意見や感想を頂き、特集「H28 座学講座 参加者の声」と題して掲載いたします。
以下の3名より御協力いただきました。
東京医科歯科大学 医療イノベーション推進センター 南 俊守 様
名古屋市立大学 URAオフィス 奥津 佐恵子 様
山形大学 企画部 山内 浩一 様
内容は、以下の質問に対して率直な意見、感想、要望を回答していただきました。
質問1 職務と経験年数。また現在の主な業務内容質問2 参加した講座の中で、一番印象に残った点について(良い点、悪い点も含め)
質問3 参加した講座において、自分が当初期待したことに比べて実際どうだったか?
今後どんなところを期待したいか?
質問4 参加したことで、自身がどのように変化し成長できたか、また今後に役立てられそうか?
東京医科歯科大学 南 俊守 様
東京医科歯科大学 医療イノベーション推進センター 南 俊守 様 |
リサーチ・ユニバーシティ推進機構URA室に、URAとして2年の経験です。医療イノベーション推進センターにて、臨床研究およびシーズ実用化の支援、関係諸規制に準拠した研究、関係システムの構築・効率化をはかっています。
ライフサイエンス領域では昨今の事案からCOIの本格展開が急務とされ、COI最新動向を把握できるよい機会でした。よい研究の意欲をさらに高めるために、私見ですが、グレーな案件は多くなり処理は難しく企業判断バイアスも入るので、匿名で相談できる客観的独立した相談窓口の仕組みが必要と思います。臭いモノに蓋をしない風土醸成のための啓発活動の継続も重要と考えます。
全学的な知財マネジメントをコアとした、企業との早期ジョイントがポイント。大学発ベンチャー、オープンイノベ等の具体的方策、ライフサイエンスでは臨床研究法案、AMED申請、薬事関係のポイントも期待したい。私見として、研究倫理・COI・モニタリング・受講管理等の一連のシステムは、大学それぞれが構築するより、規制変化が見込まれているため、可能であれば共有の統合パッケージ展開がよいと思います。
研究の中身を理解できることがURAの必須要件(伊藤先生のお言葉)が忘れられません。おかげさまで本講座受講を契機に、ライフサイエンスの現場・現実・現物を基本に適時、研究計画や関係情報・データベース等の把握、研究者・企業の方との相談等、より幅広い視野でのフレキシブルな活動に努力しています。
これからもURAの皆様との情報共有の場が得られればと思います。
講師の皆様、事務局の皆様、誠にありがとうございました。
名古屋市立大学 奥津 佐恵子 様
名古屋市立大学 URAオフィス 奥津 佐恵子 様 |
2015年10月に新設されたURAオフィスでURAとして働いています。
講習を受けた時点でのURA経験年数は5ヶ月で、主にプレアワード業務に携わっています。
講師陣が、現場で試行錯誤しながら仕事をしてこられた中でまとめ上げた知識を伝授していただいたので、臨場感・説得力のある講義ばかりだったと思います。グループ討議に関しては、自分も含め研究支援のポジションについたばかりの参加者が多いので、議論が行き詰ってしまうことが多いように感じました。ただ、それはそれで、「わからない」「知らない」を共有できる場としては有効だったとは思います。
カルタヘナ法、研究者倫理など自分が研究してきた中でなんとなく理解してきたこともありましたが、研究者サポートを行なう立場になって、管理・コーディネートする側ではどのあたりまでの知識を持っておくべきなのかを知りたいと思っていました。今回、コンプライアンス・リスクマネジメント、知財、ファンド申請など、把握しておくべき範囲を網羅的に示していただいたことで、自分がどういった知識を持った上で仕事をしてゆくべきなのかがクリアになり、その点では楽になりました。今後に期待することとしては、研究支援人材に求められる把握しておくべきことは少しずつ変わってくると思うので、それに対応しつつ網羅的な知識の教授というスタンスを維持していただければと思います。
上に書かせていただいたように、仕事をしてゆくフィールドが少しクリアに見えるようになったので、逆に自分が注力するべきエリアがはっきりと見えてきたように感じます。また、同じような立場の方々と業務上困っていることなどを共有できたのはとても助かりました。この集中講座に参加できたことは大きな財産となりました。このような場を提供して下さったコンソーシアムの皆様にはただただ感謝の念があるばかりです。
山形大学 山内 浩一 様
山形大学 企画部 山内 浩一 様 |
山形大学企画部課長(研究戦略幹)1年2ヶ月
主な業務は、科研費等競争的資金における勉強会や説明会の企画・実施と、文科省等における競争的資金に係る最近の動向調査、情報収集など
本講座は、研究支援人材の育成に必要と考えられる要素が網羅されており、自分は平成28年度の座学講座の全てを受講しました。研究支援人材として必要なスキルを身に付けるには、この受講はそのスタートであり、これらの勉学を更に深めるとともに多くの知識を蓄える必要があります。そして、学内に有するシーズの理解や数多くの実践を踏まえることにより必要とされる人材が形成できるものと理解しました。
座学のみですが、実体験を通しその必要性を痛感しましたので、得られた知識とともに学内への啓蒙を図りたいと考えております。
山形大学は、現在URA組織を検討している最中であり、それに関わる研究支援人材のスキルについてイメージできていません。それもあり、今回、研究協力に関わる事務職員として、研修に参加させていただきました。
レベル的には、研究支援人材の育成ということで自分には厳しかったのですが(特に試験)、企業活動の理解や知財管理などは、今後は事務職員であっても必要な知識であると考えられるため、受講生の対象について教職員についてももっとアピールされてはと思います。
自分の業務として、科研費等競争的資金における勉強会や説明会の企画・実施等をあげており、自己研鑽の機会を与えていただき、大変感謝しているとともに、学内事務職員に対し、学んだ知識や情報については、説明会等の実施の折に役立てたいと考えています。 本講座の受講は始まりであって、変化と成長は、これらをどう活かしていくかにかかっています。