研究支援人材とは

研究支援人材の6つの要素

本事業は、以下に示すような研究支援人材の能力要素として以下に示すような6つに関して能力を向上させることを意図しています。

  1. 大学の研究内容の把握
  2. 科学技術政策と競争的研究資金に関する知見
  3. 企業の研究開発活動への理解
  4. 知的財産リテラシーの向上
  5. コンプライアンス・リスクマネジメントの理解
  6. プロジェクトにおける関係者間の調整能力

何故、この6つの要素なのか、についてですが、この教育プログラムは、以下に述べるような設計思想に基づいています。 URAやコーディネータが異分野間の研究者が集まっておこなうような学際領域研究や異セクター間でおこなう産学連携プロジェクトを能動的に企画立案し、これを実施して成果を出そうと思った場合、それぞれのセクターや研究者の考え方や発想、あるいは目的意識をよく理解する必要があります。(1,3)それが理解できれば、それぞれのプロジェクトテーマに対する考え方や目的意識のずれが明確化され、関係調整すべき事象が何であるか、明らかになります。これは、よく言われる知財の取り扱いや成果の公開の考え方、もしくは研究期間のゴールの設定や研究に必要な費用や時間といった外形的なことだけでなく、どういった視点でこのテーマを共同でおこなうのか、さらには何をもって本質的な成果とみなすか、といった内面的な問題も、調整すべき対象として、認識される必要があります。要は、異セクターや異分野間の研究プロジェクトでは、ステークホルダー間の相互理解がなされるプロセスが、プロジェクトを開始する前に必要なのですが、時と場合によっては、それをおこなうに、個々のセクターや異分野間の研究者が、十分なリテラシーを有していないケースが、頻繁に発生しており、それが、成果が得られない大きな障害となっている場合が非常に多いです。このプログラムでは、そうした関係者間の調整をおこなう実務的な能力を向上させるプログラムをコンテンツの一つとして、含んでいます。これはプレアワードでもポストアワードでも本質的には業務としては同質のものであり、上述の育成の目標設定そのものはプレアワードの目標設定をしているものの、調整すべき対象は基本的には同じです。(6)一方で、プロジェクトそのものにコンプライアンスの問題を内包している場合があり、仮にそうしたコンプライアンスをマネージしてリスクヘッジをしなければならない担当者ではないにしても、そのリスクを認知し、しかるべき大学の担当者とコミュニケーションが取れる必要があります。(5)また、大学特有の知的財産の取り扱いの考え方をある程度理解することは、所属大学の知財担当者との間のコミュニケーションを円滑にし、全体最適の視点の中で、研究活動の支援をおこなうことが可能になるでしょう。(4)さらには国等の競争的研究資金を活用することは、プロジェクトを企画立案しこれを実施する上での重要なツールであると言え、研究支援者は、こうした制度を熟知し、より採択の可能性が高まるように、申請書の作成支援をするスキルを持つことも求められます。(2)

プロジェクトにおける関係者間の調整能力の涵養
ページ上部へ